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第54回史跡文化財セミナー「大月市子の神古墳と周辺の文化財」2012.8.5

平成24年8月5日(日)に大月市にて第54回史跡文化財セミナー「大月市子の神古墳と周辺の文化財」を開催しました。

*セミナーご案内

今回のセミナーは大月市強瀬にある子(ね)の神(かみ)古墳や名勝猿橋などその周辺の史跡を徒歩で巡りました。
時間:午前10時~午後2時30分

☆見学コース☆
10:00 集合・はじめの会(大月市民会館駐車場)

強瀬子の神古墳→西国三十三番観音霊場写し→森武七墓碑→猿橋、八ツ沢発電所施設

12:10 昼食(猿橋近隣公園)12:35

大月市郷土資料館→殿上の一里塚→旧甲州街道、東京電力駒橋発電所

14:30 終わりの会(大月市民会館駐車場)

※見学地・説明地は主なところですべてを網羅していません。ご了承ください。

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はじめの会(大月市民会館駐車場)

イベント参加者は24名でした。
前回前々回に比べると参加者は少ないのですが、この暑さの中5時間歩く覚悟が出来ている強者ばかりです。
協力員さんも3名参加してくださいました。

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講師には大月市教育委員会 社会教育課  課長 杉本正文氏をお願いいたしました。

天気は予報は曇りなっていましたが期待に反していい天気(晴れ)でした。
真夏の野外イベントは暑さとの戦いでもあります。
水補給をしっかりしながら歩きます。

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まずは市民会館前にて岩殿城址の説明。
(写真は駐車場から撮影したものです。)
ここからは岩殿山がよくみえます。
東京スカイツリーと同じ高さで話題となっています(634m)。

岩殿城址は岩殿山に築かれた中世の山城址で県の史跡に指定されています。
軍事的な機能を主として天守はなかったということです。
現在でも堀や池、曲輪が確認できるようです。

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現在も岩殿山に登ることができます。
今回は登らなかったのですが、岩殿山をみていると登山者の姿をみることができました。またの機会に登頂したいと思いつつ再び歩き始めました。(岩殿山は40分程で登れるそうです)。

セミナーのタイトルにもなっている「強瀬子の神古墳」へ。
その道すがらの桂川、道祖神さんなどなど。

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強瀬子の神古墳。
強瀬小学校の近くにあります。住宅地の間、中央道のすぐ近くこんなところに古墳があったのかと思います。

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直径5mほどの円墳で7世紀後半頃のものと推定されています。大月市指定史跡。
大月市は古墳の発見例が少なく5、6基しかないそうです。

出土品には直刀、須恵器片、矢じりなどが発見されており、直刀は大月市郷土資料館常設展示にてみることができます。

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横穴式石室で中を覗くと人頭大以上の楕円の石が積まれているのがわかります。
崩れ防止の棒も見えます。
奥壁は一枚の巨岩だそうですが、見えずでした。


西国三十三番観音霊場写しへ。
その道すがらの道祖神さん、東京電力駒橋発電所などなど。

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今回のコースは少しアップダウンもありました。

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西国三十三番観音霊場写し。
中央道近くの強瀬跨道橋南側の高台、こんなところにと思う場所にあります。

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「西国三十三番」は、近畿2府4県と岐阜県に点在する33か所の観音霊場のことで、「写」はコピー、ミニチュアという意味です。

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関西まで行かなくても石仏を巡拝することによって西国の霊場を廻ったことになり同じご利益が得られると信じられてきました。
坂東三十三箇所(神奈川県・埼玉県・東京都・群馬県・栃木県・茨城県・千葉県にかけてある33か所の観音霊場)、秩父三十四箇所(埼玉県秩父地方にある34か所の観音霊場)は山梨に比較的近いので実際に行くことができたと思います。
西国三十三番は遠いので行くことが難しかったのでこの西国三十三番観音霊場写しつくっただろうということでした。

もとは妙見山にこれらがあったそうですが中央道の開通で山がなくなり、また中央道の拡幅工事によってこれらは場所を移動し、現在はここに移され整備されているそうです。

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妙見山の三十三観音様は聖観音、千手観音、十一面観音、馬頭観音、如意輪観音、不空羂索観音、准胝(じゅんてい)観音の7観音を母体とした清楚で優美な舟型光背の浮き彫り石像です。

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25番 播州清水寺 十一面千手観音様

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高速道路の脇を歩いて森武七墓碑へ。

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かつて森武七墓碑が建てられていたところです。
高速道路の橋脚のすぐそばです。高速道路が建設され、日影な位置(あまり見学されない位置)になってしまったので現在の場所に移されたそうです。

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森武七墓碑。
墓碑の森武七は天保7年(1836)、天保騒動(甲州騒動・郡内一揆)の先導者の一人です。

武七は天保7年8月、郡内の農民たちが国中の米穀商と交渉に行く時に頭取に選ばれ、農民を率いて笹子峠を越えたが、人数が増えて暴徒と化し頭取の指揮に従わなくなった一揆勢に見切りをつけ、途中で引き返した。その後、武七は罪をかぶって役人のもとに出頭し、同年11月16日、石和牢舎に送られて同日牢死している。
大月市観光協会ホームページより)

墓碑はそれからしばらくしてからの18年後の嘉永7年(1854)に建てられたものです。
この墓碑は大月市の文化財に指定されています。

名勝猿橋へ向かいます。

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名勝 猿橋。
橋脚をはなく、両岸から張り出した四層の桔木(はねぎ)によって支えられている珍しい構造の木造橋です。
橋を中心とした付近一帯の景観を含めて名勝に指定されています(昭和7年3月25日指定)。
「猿橋」は、山口県の錦帯橋などとともに日本三大奇橋と呼ばれています。

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橋は桂川の最も川幅が狭まった箇所に架けられています。

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ここで虹を発見!!!

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猿橋から東側にある八ツ沢発電所施設(水路橋)を眺めました。国の重要文化財に指定されています。

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駒沢発電所で使用した水を八ツ沢発電所で再び使用するために作られた水路です。
水路が川を渡るということでこのような水路橋になっています。
今も水が流れているようすが確認できました。

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橋は31mほどの長さがあり、何度か架け替えが行われていて最近では30年程前(昭和59年)に総工費3億ほどで架け替え工事が行われたそうです。

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(大月市郷土資料館にて展示資料)

この架け替えでは今後の架け替えを考え、橋を支える桔木にH鋼を木材で囲ったものを使ったといいます。これで部分的な修理で済むということです。

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午前の見学はこれで終了し、お昼へ。
桂川を眺めながら…猿橋近隣公園でお昼を食べました。

お昼を早めに切り上げて、午後の見学へ。

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大月市郷土資料館

2階常設展示室では大月の歴史を学びました。
大月市の原平遺跡の縄文土器や子の神古墳の直刀、甲州街道の宿場町の模型(猿橋の模型もあり)、明治から昭和の機織り機具などの民具などを見学しました。

また期間限定展示中の現在修理工事がされている宝鏡寺(大月市七保町林)薬師堂(県指定文化財)の修復成果の展示も見学しました。
宝鏡寺薬師堂の板壁が展示されていましたが、その板壁からは約330年前の墨書(歌や落書き)などが発見されています。

また1階企画展示室ではしばし涼みながら、写真家白籏史郎さんの大月市から見える富士山の写真なども見学しました。

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入館券には、歌川広重が描いた「甲陽猿橋之図」。
記念スタンプは猿橋。

見学後は、大月市民会館へ戻る方向へ。

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道すがら、三嶋大明神さん(三嶋神社)

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殿上の一里塚跡について。
『甲州道中分間延絵図』によると阿弥陀寺前の道の両側に塚が描かれています。
江戸から22里目。大月市内では東から2番目の一里塚。
写真右上カーブミラーのあたりに一里塚があったそうです。

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『身延道中記』の挿絵にある「青面金剛」の文字庚申塔が今でも現存しています。

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こちらが一里塚跡。向かい側から横目で眺めて。
また歩きます。

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旧甲州街道を歩きつつ、発電所の水車

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午前中遠目でみた東京電力駒橋発電所の導水管

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大月市のマンホール
市の花「ヤマユリ」、市の木「八重桜」、名勝「猿橋」などがデザインされているようです。それから富士山も。

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歩きます、歩きます。
日陰がないのでとても暑かったと思います。
すごい汗。思わず自動販売機で飲み物購入した方も。

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歩いていると脚が3本の火の見櫓。
珍しい火の見櫓ということを参加者の方に教えていただきました。
通常は4本だそうです。

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やっと大月市民会館に到着。
建物の日陰に逃げ込みます。
終わりの会です。
今回は約1万3000歩歩きました(距離は8kmくらい)。
暑い中ご案内いただきました講師の杉本課長さんありがとうございました。
参加された方も大変の暑さの中お疲れ様でした。

ちなみに暑さですが8月5日(日)甲府で最高気温36.5度(14:35)、大月34.3度(12:28)でした。(気象庁ホームページより

最後に余談でありますが…
いつも文化財セミナーに参加してくださっている方から先日前回第53回の史跡文化財セミナーのブログにコメントをお寄せいただきました。
その方はご自身が撮影された写真と当日資料、そしてこのブログを一緒にアルバムに収めてくださっているそうです。
いつもこのセミナーやブログを楽しみにしてくださっていることを知り嬉しく思いました。
これからもいろいろな県内の文化財を一緒に訪ねることができればと思っております。今後もどうぞよろしくお願いいたします。

次回の第55回史跡文化財セミナー「甲斐銚子塚から左右口宿」は10月21日(日)に当館周辺(甲府市)で開催します。
参加お申込みは、開催日1か月前9月21日(金)より受け付けます。
開催日10月21日は考古博物館では開館30周年記念特別展「インカ帝国展~マチュピチュ「発見」100年~」を開催しております。セミナーのコースには入らない予定となっておりますが、あわせてぜひご覧くださいませ。
ご参加お待ちしております。

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2012年08月10日 11:21に投稿されたエントリーのページです。

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