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第53回史跡文化財セミナー「中央市小井川遺跡と周辺の文化財」2012.6.17

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平成24年6月17日(日)に中央市にて第53回史跡文化財セミナー「中央市小井川遺跡と周辺の文化財」を開催しました。

*セミナーご案内

今回のセミナーは中央市の中世の遺跡である小井川遺跡やその周辺の史跡を徒歩で巡りました。
時間:午前10時~午後3時

☆見学コース☆
10:00 集合・はじめの会(中央市役所田富庁舎駐車場)

妙泉寺→小井川遺跡→上窪遺跡

12:00 昼食(玉穂総合会館)12:45

永源寺→双体道祖神→観盛院→御崎神社

15:00 終わりの会(中央市役所田富庁舎駐車場)

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はじめの会(中央市役所田富庁舎駐車場)

参加者は32名でした。

今回もたくさんのお申し込みをいただき、早めに参加お申し込みを締め切りました。
(今回参加できなかった方すみません…次回ぜひご参加ください。)

天気は前日雨、朝早くは雨で天気が心配されましたが、開催時には曇りのち晴れとなりました。
直前で天気に恵まれる文化財セミナーです。

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講師は中央市教育委員会の今村直樹氏です。
お話を上手にまとめて、わかりやすい解説をしてくださいました。

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市役所を出発して最初の見学地妙泉寺へ。
布施にあるお寺です。ここでは、お寺のお話ではなく「粘土お高やん」についての話がありました。
明治20年(1887)から内務省直轄工事として釜無川の築堤工事が本格的に始まった。
この時に旧田富町の釜無川土手の築堤工事に集まった男女の間に歌われたのが「粘土節」で、その歌の音頭を取ったのが旧小井川村山之神の人で声もよければキリョウも美しい娘さん、「お高いやん」だったという。
(セミナー資料より)

粘土節は現在、中央市の無形文化財に指定されています。

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明泉寺にはお高やんの銅像があります。

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立派なお寺です。
見学はしませんでしたが、妙泉寺にはお高いやんが眠るお墓があるそうです。

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次の見学地、小井川遺跡へやってきました。
小井川遺跡は、中央市布施地内にあります。
新山梨環状道路の建設に先立って発掘調査が行われました。

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今は道となり遺跡の面影はありませんが、写真の後ろあたりが小井川遺跡です。
当時を想像しながら、解説を聞きました。
参加者のみなさんはメモも取り、取り熱心です。

調査では中世の荘園「布施荘」の存在の手がかりとなる五輪塔や県内最古の有銘五輪塔が発見されたり、戦国時代の大型建物跡もみつかっています。
また平安時代の竪穴住居跡もみつかっています(カマドに特徴あり)。

小井川遺跡から発掘された遺物の一部は山梨県立考古博物館常設展中世コーナーでみることができます。

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上窪遺跡へやってきました。
下河東地内、山梨大学医学部の東から南に広がる遺跡です。
平安時代から鎌倉時代の水田跡や10世紀前半のお墓、10世紀前半の田畑、9世紀後半の住居跡がみつかっています。
上窪遺跡は講師の今村さん自ら調査をした遺跡だそうです。

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上窪遺跡は釜無川と笛吹川に挟まれた甲府盆地低地部の歴史のイメージを一新した遺跡。
この遺跡の調査を契機に思いも寄らない発見が相次ぐこととなった。
旧玉穂・田富町が「湖の底で何もない」というのは今は昔の話。
(セミナー資料より)

遺跡は開発され、面影はありません。

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10世紀前半のお墓(1基)からみつかった出土遺物を特別に見せてくださいました。
お墓の中にあった下駄(副葬品)です。他に櫛も副葬。
遺体は布団のような植物繊維で包まれていたそうで、お墓の底には斉串(いぐし)が42本敷かれていたそうです。
普段は見られないものが見られた、しかも現場でということでまたとない貴重な機会となりました。
参加者のみなさんからいろいろと質問も出ました。

午前の見学はこれで終了し、お昼へ。
しばし涼みながらお昼を食べました。

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午後はすっかりいい天気。とてもよく晴れました。
雨傘が日傘に。
午後の最初の見学地は永源寺。

豊田山永源寺は、慶長年間(1596~1615)、竜華院6世愚庵宗智によって再興された寺といわれるが、その草創は古く、平安時代後期にさかのぼると伝えられる。寺域は、室町時代中期の応永の頃、甲斐守護武田信満の次男右馬助信長を補佐した大力の武将加藤入道梵玄の屋敷跡ともいわれ、今も周囲にめぐらされた堀の一部が、惣門前に長く残って往時を偲ばせている。
(セミナー資料より)

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木造聖観音立像(国重要文化財)と木造普化禅師座像(市指定文化財)が所蔵されています。

木造聖観音立像は藤原時代造顕を思わせるそうです。
木造普化禅師座像江戸時代末期と推定されています。

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中央市の田んぼは田植えされたばかりでした。
そのつながりで紹介があった永源寺の境内にある「田植え地蔵さん」。

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農家の田植えを手伝ってくれたという伝説があるお地蔵さん。
ある年、田植えの季節というのに、馬の鼻取り人足がなくて植え代ができず、小沢家では困り果てていた。そこでお地蔵さんにお願いをした。
そして翌朝、みごとに植え代ができあがり、田植えも無事に仕上がった。そこで早速お地蔵さんにお礼を申し上げながら、ひょいと足元を見ると、なんとお地蔵さんの膝元は泥だらけ。お地蔵さん自ら泥田に入り植え代づくりをしてくれたとわかり、誰いうとなく田植え地蔵と呼ぶようになった。
その地蔵さんが、今は永源寺山門脇の小堂に納められている。元禄10年(1697)8月という記銘がある。
(中央市ホームページより)

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また境内には菩提樹の花やアジサイが咲いていました。
季節のお花も楽しめるのもセミナーのよいところです。

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聖観音立像は普段は公開しておらず、年1回(3月)ご開帳があるそうです。
この観音堂に祀られています。

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本堂。中を覗いてみなさんがみているものは…

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これです。「へそくり地蔵」さん。
「おへそをくり抜く」というお地蔵です。
小さい子どもが親などに「悪いことをするとへそくり地蔵さんのところへ連れていくぞ」と言われる。そんなお話があるお地蔵さんです。

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のどかな田んぼの間の道を歩きます。
田植えが終わったばかりの田んぼです。

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途中で双体道祖神さんを見学しました。
山梨では丸石道祖神が有名ですが、こちらは微笑を浮かべた男女2神が仲良く肩を寄せ合う道祖神です。
中央市にはこのほかにも双体道祖神があるそうです。
下三篠竹之花や大鳥居中村、東花輪など。

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ほほえみを浮かべたお顔をよくみてほしいということでした。

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歓盛院へやってきました。
下三条にあるお寺です。
富田山歓盛院は、上曽根(甲府市)の曹洞宗竜華院の末寺であった。往古は密教系寺院であったといわれているが、室町時代中頃、大虚自円という禅僧によって旧跡を復興して曹洞宗に改宗したと伝えられている。
(セミナー資料より)

国の重要文化財の木造薬師如来坐像は、現在、同寺の本堂内の特設保存庫内に収蔵安置されているそうです(こちらは非公開です)。
平安時代前期の制作とされます。

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境内にある岩舟地蔵さんを見学しました。
(写真が後ろ姿ですみません)
舟形の台座に立つ変わったお地蔵さんです。
享保4年(1719)の年号が刻まれています。
この頃に岩舟地蔵進行が流行したことがわかります。
中央市には岩舟地蔵は8体あるそうです。

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最後の見学地、御崎神社へ。
上三條にあります。
『甲斐国誌』には「御崎明神上三之条村社地縦廿六歩横十八歩」だけ記されているそうです。

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ここで注目されたのは鳥居の上の…

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2体あります。境内より撮影。

これ。
なんでしょうか?ネコさん?カピバラさん?

これは狛犬(初期の狛犬)とされます。
なにゆえかわかりませんが鳥居の笠石の上にいます。
なんとも珍しい。
みなさん「不思議」と思ったようです。
調べてもここの他にはないので、ここだけの形態と言っていいのでは?ということでした。

御崎神社の見学を終え、中央市役所へ戻ります。
帰りは一気に歩き、みなさん少々疲れの色が。
ですが、風が吹いてきて気持ちよく歩けました。

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無事時間通りに戻ってきました。

終わりの会です。
講師の今村さんありがとうございました。

今回は約14000歩歩きました。みなさまお疲れ様でした!!

次回の第54回史跡文化財セミナー「大月市子の神古墳と周辺の文化財」は8月5日(日)に大月市で開催します。
参加お申込みは、開催日1か月前7月5日(木)より受け付けます。
人気のセミナーですので、参加ご希望の方はお早めにお申し込みください。

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2012年06月22日 23:11に投稿されたエントリーのページです。

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