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第52回史跡文化財セミナー「国宝清白寺から窪八幡神社」2012.4.22

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平成24年4月22日(日)に山梨市にて第52回史跡文化財セミナー「国宝清白寺から窪八幡神社」を開催しました。

*セミナーご案内

今回のセミナーでは山梨市の史跡を徒歩で巡りました。
時間:午前10時~午後3時40分

☆見学コース☆
10:00 集合・はじめの会(山梨市役所駐車場)

亀甲橋・差出の磯、清水陣屋跡など 11:05 窪八幡神社 12:15

富士講、日下部遺跡など 12:40 昼食 日下部公民館 13:20

善行寺など 13:40 清白寺 14:30

14:40 連方屋敷 14:55

15:03 三ヶ所のナシ 15:08

15:40 終わりの会(山梨市役所駐車場)

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はじめの会(山梨市役所駐車場)
参加者:36名
大人気のセミナーで定員30名を超えてのお申込み・参加がありました。
天気は曇り。歩くのにはちょうどいい気温です。
雨が降らないよう祈ります。

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講師は山梨市教育委員会の三澤達也氏です。
山梨市の文化財のことをかれこれ20年くらいされている山梨市の文化財のエキスパートです。

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市役所駐車場を出発して、窪八幡神社へ向かいます。
その途中で、差出の磯などを見学しました。

「差し出の磯」は古今和歌集に「しほの山さしでの磯にすむ千鳥君が御代をば八千代とぞ鳴く」とあるように甲斐の歌枕として数多くの和歌に詠まれました。

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亀甲橋
笛吹川に架けられています。
3連の鋼ローゼ構造。昭和8年竣工。
最近塗り替えられて茶色のアーチになりました。

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旧大井俣神社(現在の大井俣窪八幡神社《窪八幡神社》)はあのあたりにあったと思われます。
三澤さんは丁寧に歴史を語ってくださいます。

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市指定史跡 清水陣屋跡
江戸幕府の第9代将軍徳川家重の第二子清水万次郎(重好)が宝暦12年(1762)甲斐の領地を支配するため山梨郡の下岩下(現笛吹市春日居町)に陣屋を置きました。
重好の死後領地は幕府に返され陣屋も廃止されました。文政13年(1830)に再び甲州に清水領が設定され、翌天保2年この地に陣屋を構えました。
5角形の陣屋敷地は周囲を掘で囲まれていたそうです。
現在敷地周囲の石垣と堀の痕跡をみることができます。

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午前中のメイン、大井俣窪八幡神社(通称、窪八幡)に到着しました。
窪八幡神社は『大井俣神社本記』によると清和天皇の勅願により貞観元年(859)に九州宇佐八幡宮が勧請されたのがはじまりと伝えられています。

窪八幡の建造物は本殿をはじめとして、建造物9棟11件が国指定重要文化財に指定されています。この他に4件が県有形文化財に指定されています。
室町期の神社建築は少なく、神社建築のうち、国指定は県内16棟あります。その16棟のうち8棟がこの窪八幡にあります。ここに50%が集結しているのです。

重要文化財 本殿は、日本唯一について最大の十一間社流造です。

窪八幡神社では現在、国指定重要文化財の本殿・拝殿・若宮拝殿の檜皮葺き屋根の葺替えを含む、社殿の改修事業が行われています。
桧皮葺き屋根の葺替えは前回の改修(昭和25年~昭和29年)以来、およそ半世紀ぶり、平成25年まで(3カ年)行われます。

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重要文化財 窪八幡神社摂社若宮八幡神社本殿
平成23年12月、拝殿・若宮拝殿の屋根が葺き上がりました。

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特別に宝物殿の中も見学させていただきました。

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市指定文化財の木造狛犬も納められていました。

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さらにスペシャルメニューとして現在本殿の屋根の葺き替え現場をみせていただきました。

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日曜日だったのですが、職人さんの作業のようすもみせてくださいました。

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軒の部分です。
これから野地板の上に桧皮を葺いていきます。
もうみることのできない貴重な現場をみて参加者の方も感動したようでした。

文化庁より「修理現場から文化力」
文化庁では、毎年、国宝・重要文化財(建造物)や重要伝統的建造物群保存地区内の伝統的建造物などの保存修理事業に対し、補助を行っています。
国宝・重要文化財(建造物)などの文化財は、所在する地域の歴史・文化を物語るものであり、国民の貴重な共有財産です。
保存修理がなされる文化財建造物が、各地域の「文化力」(=人々に元気を与え地域社会を活性化させて、魅力ある社会作りを推進する力)を盛り上げ、地域振興の核となるよう願っています。

このようにこの修理が「文化力」を盛り上げ、地域振興の核となればいいと思います。

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重要文化財 窪八幡神社鳥居
参道にある日本最古の木造鳥居です。
両部鳥居。

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昼食場所の日下部公民館へ移動します。
笛吹川の堤。
窪八幡神社の例大祭、拝殿での神事のあと行われる「水防祭」の場所です。
つぶてが笛吹川へ投げられるそうです。水除けの神事です。

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小原東(火葬場西)の富士講の碑。

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日下部遺跡1949年(昭和24年)に山梨市の日下部中学校(現山梨市立山梨北中学校)
の建設工事にともなって発見された遺跡です。
遺跡から出土した土師器の坏は「日下部式」と命名されました。
現在の奈良・平安時代の「甲斐型土器」です。

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お昼を食べて元気をチャージして午後の見学へ。
清白寺へ向かいます。

道すがら善行寺。

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御幸道を歩きます。

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蓮方屋敷を過ぎて、神輿石とお地蔵さん。
清白寺まであと少し。

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歩いている途中では、今年は開花が遅れたおかげで満開の桃の花をみることができました。

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黄色が眩しいたんぽぽも満開。

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清白寺前に到着です。
清白寺は、足利尊氏が夢窓疎石(国師)を開山とし、正慶2年(1333)に創立したと伝えられる臨済宗妙心寺の寺院です。

ここで雨がポツリと降ってきてしまいました。

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国宝 清白寺仏殿
仏殿の建立は、大正6年の解体修理の際に組物に墨書が発見され、応永22年(1415)と判明しています。
天和2年(1682)の寺院火災にも災いをまぬがれ貴重な遺構となっています。

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仏殿はわが国の仏教建築の主な様式のひとつである唐様(禅宗様)建築の代表的遺構として知られ、「方三間裳階付仏殿」とよばれる形式の典型例でもあります。

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内部も見学させていただきました。

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内部に文様彩色と丁寧な漆塗が施されている点は他に例がないそうです。

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鏡天井には龍が描かれています。(龍は古いものではないそうです)

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敷地内にあるこちらの桜は葉桜。

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こちらの八重桜は満開。

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重要文化財 清白寺 庫裏
仏殿背後の本堂右手にあります。
雄大な茅葺屋根をもつ禅宗庫裏です。
寺蔵の古文書より元禄2~6年(1689~1693)に再建されたと考えられています。
昭和61~63年の解体修理工事によって、ほぼ当初の形式に復元されています。
入口で中を見学しました。

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珍しい緑の桜。
御衣黄が植えられています。

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ちょうど花が咲いていました。
いい時期にみることができました。

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県指定史跡 連方屋敷
連方屋敷は、一辺が130mもある方形の広い屋敷跡で、四方に土塁と堀が巡っています。戦国時代には武田氏の財政面で活躍した「蔵前衆」が居住したとも、「蔵前の庁所(役所)」であったとも言われています。

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これまでの発掘調査の結果、礎石建物や掘立柱建物の跡、朝鮮半島や中国で作られた青磁、かわらけとよばれる使い捨ての土器の皿、常滑焼の大甕、内側に把手がついた内耳土器とよばれる土鍋などが発見されました。

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屋敷には土塁が巡っていました。一部が残っています。

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新町の説明を聞き、山梨市役所へ戻ります。
その戻る途中、ちょうど花の時期という市指定天然記念物三ヶ所のナシを見学しました。
根回り1.88m、樹高5.15mの大きさを誇るナシの木です。

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白い花が見事に咲いていました。
実もなるそうです。

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スタート地点に戻ってきました。
スペシャルな史跡文化財セミナー無事終了することができました。
雨もそれほど強くならず、軽快に歩け、本日の歩いた距離はいつもより少し長く7.5km、1万3000歩程でした。

参加者の方からは
「いろいろな山梨市の文化財をみられてよかった。」
「清白寺の仏殿の内部をみることができてよかった。」
など満足な感想が聞かれました。

講師の三澤さん、一緒に同行してくださった山梨市の文化財担当の雨宮さん、参加者の皆様ありがとうございました。


次回の第53回史跡文化財セミナー「中央市小井川遺跡と周辺の文化財」は6月17日(日)に中央市で開催します。
参加お申込みは、開催日1か月前から受け付けます。
最近は考古博物館ホームページからのお申込みも多数受け付けております。
次回もたくさんのご参加お待ちしております。

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2012年04月30日 14:01に投稿されたエントリーのページです。

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