平成22年3月6日(日)山梨県立考古博物館協力会の日帰りの県外研修を開催しました。

《長野県御代田町 浅間縄文ミュージアムにて参加者集合写真》
今回の研修では、「長野東部の縄文・旧石器の旅」として今年度・来年度の特別展に関連した資料館を訪ねました。
■研修先■
①南牧村美術民俗資料館(長野県南牧村)
素晴らしい旧石器時代の細石刃が展示されている資料館
②北相木村考古博物館(長野県北相木村)
国史跡 栃原岩陰遺跡の出土品を展示。
今年度の第28回特別展「発掘された女性の系譜~女性・子ども・家族の造形~」で
「女性復顔」や「骨製針」などをお借りしました。
③浅間縄文ミュージアム(長野県御代田町)
重要文化財 川原田遺跡 焼町土器が展示されている。
来年度の特別展「縄文土器名宝展~縄文芸術の到達点~」で展示品の借用を
交渉中。
34名の協力員さん、6名の協力員さんのご家族の方、事務局5名で参りました。

天気は晴天。
移動は大型バス。45名で座席が満席です。
協力員さんに自己紹介もしていただく場面もあり。

事務局長(保坂学芸課長)による今から訪ねる博物館のみどころの話やそれに関連する
遺跡の話などを聞きながら施設まで移動していきました。

1番目の研修地、南牧村美術民俗資料館(長野県南牧村)に到着。
開館して間もない9時少し過ぎにお邪魔しました。

まずはじめに後期旧石器の宝庫である国史跡 矢出川遺跡の石器を見学。

地元の研究者土屋忠芳さんの46年にわたって採集したコレクションが展示されていました。
数々の細石刃と細石刃石核を見て、協力員さんはその素晴らしさに感心されたようでした。また山梨での細石刃文化について興味を持たれていた方もいらっしゃいました。


土屋忠芳さんが採集した石器がズラリ。圧巻です。
その他にも民具や動物の剥製、土器なども展示されていました。
室内の気温は4度と旧石器時代の温度を体感!?しながら約30分見学いたしました。

次は北相木村考古博物館(長野県北相木村)へ。
北相木村教育委員会 学芸員 藤森英二さんに展示をご案内いただきました。



栃原岩陰遺跡から出土した貝製装飾品や表裏縄文土器、遺跡では残りにくい獣骨(その量はザクザクと言っていいほど)やカワシンジュウガイなどが展示されていました。

協力員さんが藤森学芸員に質問を。
研究成果に基づいて答えていただきました。

岩陰の発掘のジオラマ。
発掘の様子が再現されていてとてもビジュアル的でわかりやすいものでした。
人骨が発掘された様子もよくわかったようです。

-ハートの木-が博物館玄関付近に展示されていました。
サイカチという木の幹。
かつて村の天然記念物で樹齢は100年を超すと伝えられていた木だそうです。
なにかよいことありそう。
30分の見学時間はあったいう間で後ろ髪を引かれるように博物館をあとにしました。
次はいよいよ佐久市の昼食場所へ移動。
その道すがらのバスの車窓から-

一瞬でしたが、栃原岩陰遺跡の岩陰が見えました。

それから、虹の雲。(私は初めて見ました)
●彩雲(さいうん)という雲だそうです。
-
wikipediaより
彩雲は、太陽の近くを通りかかった雲が、緑や赤に彩られる現象である。瑞雲、慶雲、景雲などともいう。
この現象は、日光が雲に含まれる水滴で回折し、その度合いが光の波長によって違うために生ずるもので、大気光象の1つである。巻積雲や高積雲、風で千切られた積雲などに見えることが多い。
虹色の雲は良いことがある前兆とも言われているそうです。
いいことありましたか??

昼食場所「佐久乃おぎのや」さんに予定通り12時に到着。


協力員さん同士の会話もはずみながらおいしい釜飯をいただきました。
満腹、満足。

ご飯を食べた後は最後研修地、浅間縄文ミュージアム(長野県御代田町)へ。
ミュージアムへ行く車窓には雪をかぶった浅間山。

午後1時浅間縄文ミュージアム。
考古学博士であり学芸員の堤 隆さんにご案内いただきました。
活火山浅間山とその山麓に花開いた縄文文化をご紹介いただきました。

女性たちの縄文土器作りをジオラマ前にて。
展示がスタイリッシュ。

特別展示室では、国重要文化財「川原田遺跡の縄文土器」や石器を展示していました。


素晴らしい縄文土器・焼町土器。

カワラダくんこと川原田遺跡の顔面把手。
博物館のシンボルマークになっています。

「この土器すごいね、いいね」の協力員さんの声。

「どっちが本物?」という展示。
本物は右か左かみなさん、わかりましたか?

2階は「浅間山の自然」として世界的活火山浅間山の自然史を展示。
浅間山や周辺の模型を見ながら、浅間山の歴史について。
天明3(1783)年に大噴火をしている浅間山(歴史時代の記録に残る、有名な大噴火)

窓越しに活火山浅間山。

時折噴煙をあげていました。

ショップ運営委員さん、ショップでどんなものを売っているか気になります。
ポストカードや便せん、土鈴などオリジナル商品も販売されていました。

体験工房の前にいた「カワラダくん」
体験工房では勾玉作りや土器作りができます。
この日は土器を作っている方がいらっしゃいました。
1時間の見学時間、まだまだゆっくり見学したいという思いもありましたが、帰路に向かいました。
堤様ありがとうございました。
4時半考古博物館着。
県外研修を無事終えることができました。
●協力員さんの一言感想文●
協力員 原田 みゆきさん
天候も光の春の恵みをいっぱいいただきながらの佐久方面の研修とても充実した1日を過ごしました。
旧石器、縄文の素晴らしいものを見ることが出来ました。
(矢出川遺跡の)見事な黒曜石の石器の数には驚き、用途など思いを寄せて。
楽しい時間をありがとう。
協力員 大久保 長仁さん
南牧村美術民俗資料館の数多くの旧石器時代の細石刃をはじめとする石器、北相木村考古博物館の北相木人の人骨頭部復元模型、くらしのジオラマ、縫い針の精巧さに感心しました。
浅間縄文ミュージアムは縄文土器をつくっている母と娘のジオラマや国重要文化財川原田遺跡の中期縄文土器の展示など展示施設が充実していました。それから、佐久乃おぎのやの「つくり続けて約50年。」の峠の釜めしもおいしくいただきました。素晴らしい研修でした。
《この他にいただいた感想文は下にあります。》
参加された協力員の皆様、ありがとうございました。お疲れ様でした。
この後の協力員さんの懇親会は16名参加(+事務局3名)のもと甲府のロイヤルガーデンホテルにて開催しました。
食事を取りながら楽しい時間を過ごされたようです。
☆ありがとうございます!協力員の方からいただいた研修の感想文を追加して掲載しました☆
協力員 石田 仁さん
この度、考古博物館協力会県外研修に初めて参加させていただきました。幸い天候にも恵まれ、無事終了しましたことは館長さんをはじめ、事務局の方のご尽力のおかげと感謝しております。
研修に参加しまして、いろいろと勉強させていただきました。いろんなものを見、知ることによってその歴史などがよく理解できると思っております。
今後の考古博物館協力会の研修にも期待しています。ありがとうございました。
協力員 遠藤 栄子さん
大勢の参加者と晴天に恵まれ快適な研修となりました。車内で保坂課長の資料にもとづいた説明もお聞きすることができ、長野県東部の縄文・旧石器の旅は有意義な旅になり、感謝しております。また、他県での資料館の展示、地震に対する設備、対応の方法等見聞でき参考になりました。
協力員 野口 正樹さん
今回の研修を非常に楽しみにしていました。理由の一つは、私が普段接して見慣れている山梨とは様子が違うであろう縄文文化が見聞できるという期待感です。そして期待どおりの素晴らしい石器や土器の数々、遺跡などを見聞でき、目を見張る思いでした。もう一つは、昨年11月に別れた女性との再会です。北相村考古博物館の栃原岩陰遺跡コーナーで静かにほほ笑んでいる彼女と再会を果たし、感無量でした。釜めしも美味でしたし、身を切るような寒風に氷河期の雰囲気まで体験でき、言うことなしの有意義な研修となりました。企画立案・実施に尽力された事務局の皆さん、有り難うございました。
協力員 杉野 美幸さん
野辺山といえば、駅最高地点やSLランド、「高原のポニー」、Nゲージ宿など鉄道マニアの聖地の響きしかなかったけれど、新たに水晶石器の産地という魅力的なイメージが加わりました。南牧村美術民俗資料館で見た石器の水晶加工技術の高さや、あまりにも実用的な使われ方に素朴な職人気質の集団が偲ばれました。地質学的・化学的視点からのパワーストーンに最近注目している私としては、火山跡周辺に自然への畏敬の念をもって集まる縄文人の姿が浮かびます。
北相木村考古博物館では「目で見る考古学」の気概を感じました。一般の人に広く周知されなければ博物館の意味が無いわけで、展示のそばに絵入りパネルでポイント解説をされていたり、実際の現場を復元して「見方」の解説をするなど初心者がわかる楽しみが随所に工夫されていました。お爺さんが孫に魅力の真髄を語るような「ちょっとした話」があちこちに散りばめられていました。
浅間縄文ミュージアムは非常にお洒落!ライトの当て方、テーマカラーの赤×黒、触れるレプリカとレプリカ技術の高さ、ショップの雑貨屋さんのような雰囲気・・・体験が随時行えるのも非常に魅力でした。洋服屋さんに行く感覚で楽しめるスタイルは、やはり若年層のリピーターに受けているようです。ちょっと「高尚」なわが博物館も学ぶべき視点では??
研修旅行に夫婦で参加し、徐々に歴史愛好家に染色中です。退職後は夫婦で協力会員になれるかな???楽しい旅行になりました♪
《2011.5.6 掲載》
アナザーカルチャー 協力員 芹沢 昇さん
八ヶ岳の反対側にはもう一つの縄文王国があった。考古博物館協力会の研修で南牧村から佐久市を訪れた。ETCの普及で高速道路を使って遠出する機会が増えたこの頃、近くて遠い八ヶ岳の北側。そこにはもう一つの文化があった。旧石器時代からヒトが生活を営んでいた跡が多く石器とともに残されていた。さらに縄文王国山梨に勝るとも劣らない縄文文化。その中心にある華やかな土器の数々…新鮮な感動とともに来年度、ボランティアガイドとショップ運営委員への新たなステップに向けて実りの多い研修であった。

